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契約婚、熟年婚、国際結婚

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離婚も「契約」だということを知る

離婚も契約の知識を持つ

離婚を考えるようになったらDivorce contract

CONTENTS

離婚届を出す前に 

離婚を決意されるまでの道のりは、とても辛いものです。一度は結婚し、生活を共にした二人が、さまざまな理由により別々の道を歩むこと選ぶのですから、解決しなくてはならないことがたくさんあります。わが国で離婚するための方法は、およそ4つです。

  1. 協議離婚(夫婦が同意の上で離婚届を提出することで成立します)
  2. 離婚調停(裁判を起こす前には必ず調停を経なくてはなりません)
  3. 審判離婚(調停が不調であっても離婚が相当と認められるときに行われます)
  4. 裁判離婚(最後の手段、でしょう)

「早く離婚してしまいたい」という心境になると思わず「とりあえず離婚届をだして先に離婚してしまおう」と考えたり、
「離婚できればあとのことはなんとかなる」ということで、夫婦が話し合いをした内容を文書に残すことをせずに離婚してしまう夫婦がとても多いのが現状です。
 
でも、ちょっと待って。前述の通り結婚が「契約」であるならば、離婚も「契約」です。
離婚するに当たっては、夫婦双方ともに、お互いの主張があるはず。
その主張を話し合った結果を残さずに、離婚届だけを出してしまってはとても危険です。
 離婚届を出すという行為は、最後の最後の手段でいいのです。
全ての話し合いに納得し(お互いに妥協したりしながら、ですが)、話し合いを文書に残したら、やっと最後に離婚届を提出する。
そんなイメージをもっていただいただきたいと思います。

別居に踏み切る前に

離婚を決めるその前に、別居という選択をされるご夫婦も多くいらっしゃいます。
別居は、「頭を冷やす」という意味で有効な場合もあります。しかし「冷やし」すぎて
関係もそのまま冷えてしまい離婚へ、というパターンも本当に多くあります。
怒りに任せて、なし崩し的に家出という形をとるのは絶対にお勧めできません。

別居を決めるその前に、しておいたほうがよいこと

夫婦には同居し、互いに協力、扶助する義務があります(民法752条)。ですから、家出をしたり、相手を何らかの手段で追い出したり、または相手が家出せざるを得ないような状況を仕向けたりすることは、見方を変えれば夫婦として同居・協力・扶養義務を怠り、共同生活を破綻させたものと捉えられてしまう可能性があります。これを法律上では「悪意の遺棄」と呼んだりしますが、これは法定の離婚原因となる可能性があるものです。

また、 一度別居をしてしまうと、感情的になかなか戻りにくくなるもの。
そのまま別居期間が長期にわたってしまう恐れがあります。
離婚が認められるための別居期間は夫婦の年齢や同居期間にもよるため、一概には言えませんが、裁判所は実質的破綻主義をとっているので、
別居が長くなれば、有責配偶者(元の原因を作った側)からの離婚請求も認められることに。
不貞を働いたり、家族を省みない相手が悪いのに、自分が出て行ってしまったり、もしくは相手に出て行ってもらったことで、後々相手方からそれを理由に離婚を突きつけられるなんて、こんなに悔しいことはありません。

別居を決めたが、それがそのまま離婚原因へとつながらないために。
そして、別居期間中も、きちんと生活していくために。
また、別居後に双方合意で離婚することになった場合でも、不利にならないために。
別居をする前には必ず、決めておいたほうがいいことがあるのです。

具体的には、

  • 婚姻費用分担についての取り決め…生活費はどうするのか?
  • 未成年の子供がいる場合、その監護権、面接交渉権などの取り決め
  • その他、離婚した場合の諸条件(慰謝料、財産分与など)

夫婦の形態も、考え方も人それぞれであるように、これらの取り決めも個々人によって
異なるものです。望む別居の形、別居の目的(離婚前提なのか、修復前提なのか)
によっても、変わってきます。

別居契約書の作成

別居するとなると、主に収入の少なかった方(多くは配偶者の扶養家族となっていた側)は生活費が必要になります。この費用分担を決めておくのがまずは一番のポイントです。別居の目的や、別居の方法などにもよりますが、将来離婚となった場合に、別居していたことによって不利になったり、不貞行為等を起こした相手側への慰謝料請求額を減額されてしまわないためにも、事前に決めるべきことは手を打っておきましょう。

二人でやり直すために

夫婦関係調整~二人がやり直すために必要なこと

夫婦生活には、さまざまな悩みがつきものです。私自身にも夫や子供がおりますが、
こまごまとしたことから大きな問題まで、色々なことに直面してきました。
それらを一つ一つ乗り越えていくことで、だんだんと夫婦や子供の間に「家族の一員である」
という感覚が芽生え、本当の意味での「家族」が出来上がってくるのだと思います。
でも、もしも夫婦が仲良くやっていくことができなくなってしまうような問題が発生したときには、夫婦がきちんと向き合って話し合うことが何より大切です。

「夫婦関係調整調停(円満)」を活用する

色々な事情から夫婦関係がぎくしゃくしてしまったけれど、何とかやりなおしてもう一度夫婦関係を修正したい。でも、どうしても感情的になってしまったり、二人きりでの話し合いがどうしてもうまくいかないことも多いと思います。
そんな時、第三者に介入してもらうことで話し合いをすることができる場が家庭裁判所にあることをご存知でしょうか?

家庭裁判所での調停、と聞くと「離婚」を思い浮かべる方のほうが多いと思いますが、実は同じ調停でも「夫婦関係調整調停(円満)」という申し立てをすることで行うものです。
裁判所、という堅い場で第三者を介して話し合いをするということ自体により、お互いの話し合いが、より真剣なものになることもありますし、客観的に自らを見つめなおす機会になることもあります。
申し立て費用は収入印紙1,200円と連絡用の郵便切手(各裁判所により異なります)
その他、申し立てに必要な戸籍謄本の取得代など、あわせて概ね数千円程度。
家庭裁判所で手続きをして簡単に申し立てることができます。
ただし通常、申し立てから1~2ヶ月程度は待たされることが多いので、すぐにでもいそいで話を進めたいという方には向かないかもしれません。
家庭裁判所:夫婦関係調整調停(円満)

話し合いの結果を文書に残す

裁判所の調停を経ずとも、夫婦間で誠実に話し合いをすることができたならば、その内容はきちんと文書に残しておくことを強くお勧めいたします。
民法754条には「夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない」」とあるため、そんな文書は意味がないじゃないかといわれる方もいらっしゃいますが、大事なのは「二人で話し合った」というその過程と事実。
夫婦関係を修復したいと誠実に思っている夫婦が、話し合った内容を二人できちんと文書に残すという行為をした以上、その内容はなかなか反故にはできないものです。
たとえば、夫婦間がうまくいっている状態であるときに、夫婦の一方から「あの契約、取り消したいんだけど」と言われたら、何かがおかしいと疑いたくなりませんか?
(また、夫婦間の契約が取り消し可能であることを知らない方も多いため、きちんとした文書を残すことは、今後の再発抑止力ともなり得ます。)

もちろん取り消しできる文書であっても、取り消されるまでは効力がありますし、もし将来、離婚危機に陥った場合に相手方から一方的に「取り消す」意思表示があったとしても、現に夫婦間が破綻している状況下での取り消しは認められないとした判例(民法754条にいう「婚姻中」とは、単に形式的に婚姻が継続していることではなく、形式的にも、実質的にもそれが継続していることをいうものと解すべきであるから、婚姻が実質的に破綻している場合には、それが形式的に継続しているとしても、同条の規定により、夫婦間の契約を取り消すことは許されないものと解するのが相当である。最一小判昭和42.2.2)や、また、「夫婦間が破綻に瀕している場合になされた夫婦間の贈与は、これを取り消すことができない。最一小昭和33.3.6」という判例もあり、つまりは夫婦間が破綻している状態で締結した契約は、取り消すことはできないと考えられますので、やはり、きちんとした契約書を交し合うことから今後の夫婦関係の再構築をスタートさせていくのが賢明です。

夫婦関係修復協議書

わが国の離婚の9割は「協議離婚」というもので、夫婦双方が同意し、離婚届に署名捺印の上、提出するだけで行われるもっとも手続きの簡単なもの。
裁判離婚のように、法定の離婚原因を必要としません。
あまりにも手続きが簡単なために、「早く離婚してしまいたい」という心境になると思わず「とりあえず離婚届をだして先に離婚してしまおう」と考えたり、
「離婚できればあとのことはなんとかなる」ということで、夫婦が話し合いをした内容を文書に残すことをせずに離婚してしまう夫婦がとても多いのが現状です。

でも、ちょっと待って。前述の通り結婚が「契約」であるならば、離婚も「契約」です。
離婚するに当たっては、夫婦双方ともに、お互いの主張があるはず。
その主張を話し合った結果を残さずに、離婚届だけを出してしまってはとても危険です。
離婚届を出すという行為は、最後の最後の手段でいいのです。
全ての話し合いに納得し(お互いに妥協したりしながら、ですが)、話し合いを文書に残したら、やっと最後に離婚届を提出する。
そんなイメージをもっていただいただきたいと思います。